コタキ兄弟と四苦八苦 第3話
悩める相談者坂井君
坂井君:
モテるってそんなに偉いんですか
モテたら人間が上なんですか
人に・・「キモい」とか平気でそういう事言って・・
ショックで・・「キモい」って言われて・・苦しくて・・ずっと・・惨めで・・自分には価値が無いって思えて・・
変だよ・・モテなくたって・・
相手がいないと一人前じゃないみたいだ・・
そんなの・・
さっちゃん:
でも、さかいくんには多田さんがいるよね?
坂井君:
断ります。AもBも断ります。
デートなんてしません。
僕が証明します。
女なんていなくても、ひとりで立派に幸せになれるって。
僕の人生で証明します。
弟に責められる兄を見ているうちに、色んな想いが高まって、デートをしないと言い出す坂井君。ここ凄くいい。あいのりを見ているような気分だった。
モテ教
さかい:彼女がいたら説得力ないじゃないですか。
弟:誰を説得するんだよ?
兄:モテ教の奴らだよ、お前みたいな。
・・モテるモテない、イケてるイケてない、関係した女性の数で人の優劣を決めようという風潮だよ!
さかい:そういう風潮に僕らは意義を唱えようとしてるんです!
なかなかの勢力をいまだ保持しているモテ教。自分もこの風潮はヘンだと思う。
感情的に、ではなく、客観的に、論理的にヘンだと思うのだけど、その話は長くなりそうなのでまたの機会に。
さっちゃんから坂井君へ
こんなところで人生を決めちゃダメ。
この人たちの話をまともに聞かないで。
こちらの自称モテない一路さん。
現在求職中でやることがなく、毎日うちの店にいらしてます。
こちらの自称モテる二路さん。
奥さんと子供がいますが、離婚を迫られ、マンションを追い出され、十回に居候中のエターナル無職です。
わかりますか?モテようがモテなかろうが、人生上手くいってないんです。
デートするのやめるって言ってたけど、多田さんの気持ちは?
傷つける事にならない?
デートしようって言われて嬉しかったんでしょう?
嫌われたくないから相談しにきたんでしょう?
水族館でも、家でも、どっちを選んでも、二人で楽しく過ごすことが大事なんじゃないかな?
・・パーフェクトなさっちゃんの回答。笑
ちょいちょい兄弟に「いまのひどくないですか?」というような気遣いの台詞を発してきたさっちゃんがここで牙をむく。
帰り際
高校の時、初めてデートした子に言われたんです。
デートのあと、LINEで、キモいって。
距離が近すぎたのかな、とか緊張しちゃって話せなかったからかなとか、
根本的に自分もキモいとこあるって思うんで、またそんなふうに・・
という坂井君の言葉を遮って、さっちゃんは、
大丈夫だよ、さかいくんキモくないもん
頑張って
と声をかける。そして握手の手を差し出す。そして、
浮気になるんで、やめます。
と返すさかいくん。
いやーよき。この感じがこのドラマのグッとくるところ。
それにしても、初めてのデートで「キモい」って言われたという坂井君。
そのことがひとりのひとの人生をどれだけ狂わせるか。。業が深いぜよ・・。
そしてこの「キモい」はさらに展開を見せる。
今回一番心が震えたのは、最後の兄がtwitter的なSNS「ぼやっきー」で自分の名前を検索するシーン。
↓
兄と婚活ブログとSNS
ぼやっきーの検索結果にて書かれていたのは、生徒と思われるアカウントによる「古滝キモい」という言葉たち。。
これにはまいった。。
さすがに観てて「うぅ・・」という感じの声にならない声が出た。
確かに兄は偏屈なところはあるけど、3話分観てきて、感情移入し、好意を抱いていた。
だからこそ兄の悲しい過去に触れて物凄く苦しくなった。
兄は最後「仕事、仕事が欲しい~」と言って倒れる。
このシーンをコミカルに捉えられた人ってどのくらいいるだろうか?
「キモい」
「キモい」っていうワードは、対処のしようがない。
自分も昔異性に言われたことがあるのを思い出した。
仕事をやめて学校へ通うというその子の話を聞いていてるときに、なんか違和感があって、よかれと思って「それはなかなかの決断になるけど、大丈夫?」というような、厳しめに現実的な話をしたところ、
「悩んで迷って弱っている人間に鞭打って、楽しいですか? キモ。あなたのいう事は正しいけど、正しくないの。」
というような事を言われてしまった。
どうやら悩んでいたらしい。
相談に乗ってくれと言われて乗った相談で逆ギレされてしまった。
以来その子とは会っていない。
ただ、そのことにたいして自分は正直なところ、そこまで「悪いことをしてしまったなぁ」とは思っていない。
先に違和感と書いたけど、なんとなく、自分はその判断に迷いがあるように受け取っていた。
迷いというか、"甘え"を感じた。
もはや内容は忘れたけど、誰が聞いても物事の順序がおかしかったり、強めな言葉の割には勉強とかの準備に関しては計画性がなくて行き当たりばったりな感じが見受けられるもので、「本気なのかな?」と思えた。 その支離滅裂な感じの話を聞いて、彼女を応援しようというヤツはただこの子を落としたいだけのクソ野郎だなって思ったのと、
その話を聞いた時点でなんだかこの子に対する興味もなくなってしまい、ここは余計なお世話だと思われようが言うべきことを言おう、と思ってのことだった。
なのでそこに後悔はない。
起きるべくして起きた齟齬だろう。
ただ、「キモい」というワードは、なかなかどうして引っかかる。
非常にうまく相手にダメージを与える言葉だと思う。
もう一度書こう。
「キモい」っていうワードは、対処のしようがない。
すこーし傷ついた。
さて、↑の文章を読んでいて、なんとなく兄一路のことが想像されなかっただろうか?
自分で読んでてそう思えた。
どうやら自分は兄の言っていることが色々よくわかる側であるらしい。
弟の言うことも全然わかるけど。
そして前回2話で出てきた、
「正論だけで済む世界ならレンタルおやじなどいらない」というこのドラマのテーマに、立ち返ろう。
あの時の自分は悩める女子に正論をぶつけていたということになってしまったらしい。
とはいえ、いうべきだと思ってやったことの結果なので悔いはないし、
まぁここに関しては、イマイチ先方の求めてる事がわからなかった。
相談したいという割には無策感があったので、「なんだこのひと」ってなってしまったけど、単純に仲良くなりたくてした話だったのかもしれない。
こちらはこちらで「その装備、準備で大丈夫?」という、伝えたいことを、しっかり相手の受け取れるような感じでは伝えられず、ただ正論やめれ、といわれてしまった感じで、シンプルにコミュニケーションがうまくいかなかったなぁと。
でも、そういう、若さ故の過ち的なものや、いまとなってはどうしようもないものもなんとなく背負いながら人生は進むものなのですね。
そしてきょうもまたドラマも進む。
兄が、弟が、さっちゃんが求めるものは、もたらされるだろうか。
先が気になる〜。
たまにはビターな文章書くのも悪くないなと思ったのでした。
おしまい
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