SUITS 10話&最終話 2018/12/10 & 2018/12/17
今更感その2・・笑
何の関係もまったくないのですが、ホワイトデーにしれっと更新してみます。笑
SUITS。
この作品は好きなのだけど、好きゆえに気になることがなんだか多くて。
(例えば、好きな人の不得意なものって凄く目に付きませんか? 絵が下手とか、字が下手とか、料理が下手とか、なんだか凄く気になっちゃう。どうにかしてあげられるならしたい。そういうふうな感じです。笑)
これまでもその気になるところをベースに感想を書いてたのだけど、今回も基本路線はそういう見方で行こうかなと。
てことで、
SUITS 10話&最終回です。
■10話
まず、10話のピックアップを。
・姉妹の相続争い
与謝野ホールディングス社長の、ふたりの娘に公平に資産を分配するよう遺言状を作成したいという案件。異母姉妹の姉・藤代(町田マリー)と、妹・雛子(本仮屋ユイカ)は犬猿の仲というのだけど、、
この配役の時点でどちらが勝つ話なのかオチが見えてしまう、と思った。。笑
のだけど、もう色んなどんでん返しがあって、ややこしい話に。
雛子は雛子でアパレル部門を手にできたけど、スタートから借金にまみれることになり、藤代の復讐は達成されるという。
結局この姉妹の仲違いを解消しないままであるのが、ちょっと"らしくない"というか。自分がこのドラマで観てきた個別案件の結末としては少しもやもや。
・↑の勝ち負けの問題と、甲斐の激昂
ファームに残るために蟹江と競っていた大輔。そしてあらゆる手を使ってくる蟹江。
結果大輔は負けて、自暴自棄になるのだけど、この二人のやりとりを観ていた甲斐が激昂する。
「不正をした人間が自分を正当化するな」
と、珍しく声を荒げる。
これはのちへの伏線で、甲斐の自分へのメッセージであることもわかるのだけど、この声を荒げる織田裕二が、青島好きとしては観てていい意味でゾクっときたという・・笑
・大輔の、聖澤へのもう自分に構わないでほしい発言
前段の状況もあって自暴自棄になっていたとはいえ、こういう発言をやっと仲良くなったばかりの聖澤さんに簡単に言い放つあたりが自分の大輔への苦手意識をまた煽ってくる。大輔は頭がいいようで悪い、というか精神的に未成熟。頭はいいけど心は子供って感じ。
・やっと甲斐の正義にまつわる話が・・!という終わり方
10話の最後は「冤罪」というキーワードで終わる。ここまで余り明らかにされてこなかった、甲斐の正義 にまつわる話がやっと聞けるのか、という期待感で終わった。
ざーっくりいうとこんな感じかなと。
■最終話
そして、最終話。
・13年前に起きた女子高生殺人事件
冤罪で捕まったのは被害者の彼氏だった男性。
真犯人は、時間内に物語を収める都合上もあるのだろうけど、こんなわかりやすい真犯人いるのか、てくらいわかりやすい話だった。
そして犯行の供述の取り方にはビビった。。まさかの脅しという。
ブラックにはブラックをっていうこと?
よく日本の、しかも月9でこんな展開したなとか思ってしまった。
これまで大輔の足を引っ張り続けてきたあの兄の見せ場にはなったけど、なんだかもやもやーっとしてしまう。
・甲斐の人間性を疑うシーン
前回10話であんなに真剣に救いたい、という意志を示したその相手を前にしてあの高圧的な態度というのは凡人の自分には一見意味がわからなかった。。
わからなかったけど、わからないなりに考えると、
甲斐は冤罪で捕まった人への罪悪感ベースで動いたというよりは、自分のキャリアの中で許せない汚点のようなものとして、彼の正義に反する対象としてこの案件と向き合っていたのではないか、ということ。
それならば、ある程度整合性はとれるかなと。
・上白石萌音演じる春香
今回が"デビュー戦"の検事春香。
この春香がなかなか印象に残るキャラクターであった。
甲斐の面談時間のスタートを過ぎても、「レストからのショートカバーか・・」とFX?か何かをやっているところから始まるふざけっぷりは要領よい今の若者らしさの象徴として置いたシーンかなと思っていて。
でもこれが最後には自分の正義を示す若者。イイ。
最初は「こんな正義感ある人間がFXで面談の時間忘れるか?」とか思ったけど、
まぁそれも「若者らしさ」とか考えると、それはそれでリアルでもあるってことなのかな?というところで、逆にプラスに捉えておこうかなと思ったり。
・甲斐とチカの会話→チカの「考えてるわよ」
冤罪の件で検察と戦う事になり、契約を解除しようとするクライアントがいるという話をチカと甲斐でしているシーン。
(チカ)彼らは冤罪の重みを理解してない。そんなクライアントこっちから願い下げよ。必ず勝って。
(甲斐)そのつもりです。
(チカ)それと もう一つ。
(甲斐)玉井のことですか?
(チカ)許してあげて。
(甲斐)そうしたい。でも 難しい。
(チカ)
簡単よ。
考えてみて。
彼女なしの人生を。
(甲斐)分かった。
(チカ)何が?
(甲斐)そうやって いつも 俺を許してる。
(チカ)あなたの場合はそんな簡単じゃないわ。
(甲斐)考えてみて。
(→甲斐からの皮肉を込めてのお返し)
(チカ)考えてるわよ。
毎日 うんざりするほど。
・・あれれ?て思いましたよね。
ここがこのドラマで一番いいシーンだったかもしれない。
チカが甲斐を買っているのも、超法規的に庇ったりするのも、そういうことか、となると、最後の最後で色々な前提が変わるという。
そしておそろしいな、権力者というものは・・。笑
・ラストシーンは好き
聖澤の笑顔からの甲斐と大輔。
ここが構図・カットとして好きだった。
あと、「一生分遊んで来い」っていうのはこのご時世、なかなか言える台詞じゃないなと思っていて、そこになんかある種の「フジテレビ感」を感じてなんだかニヤリとしてみたり。
■全体的な総括
・どうしても薄っぺらく感じてしまう
過去の感想でも述べてきた事なので、何度も書くのは野暮なのだけど、ノリとしては色々薄っぺらいと思う。
特に若者トライアングル恋愛の薄っぺらさは、「皆それでいいの!?」て思っちゃうような軽さに感じた。
(↑にいいと書いておいてなんなのだけど、)ラストシーンも、ただ嬉しそうにする聖澤さんのうしろで、あくまでオトコ側の視点として、甲斐から大輔への「本気なんだろ?」という言葉の投げかけだけがあり、聖澤さんの心情描写が無いので、聖澤さんは本当に幸せになれるのか?とか考えてしまうようなところもある。
他にも、事件を盛り上げるため、ドラマを盛り上げるために用意されたように見受けられてしまいかねないような展開もちらほらとあるように感じた。
その筆頭となるのが、↓の、
・甲斐はどこまでわかっているのか問題
やっぱりこれももう一度書かないといけない。甲斐にはどこまでが見えていて、どこまでが予想外なのかというところのラインが不明におもう。
今回の事件や大輔の弁護士としてやっていけるかどうかの結末も、予想通りだったのか結果オーライだったのか。その辺のリアクションの描写が記憶に残っていない。
いっぽうで、不正の証拠となる資料をわざわざあんなことして発見するのも、甲斐ならうすうす感づいていたようにも思えるし、確信犯的に感じる点もある。
そういう描き方は、ストーリーとしての面白さは伝わるは伝わるけど、甲斐にフォーカスしたときにひとりの人間としての一貫性がとてもわかりづらい。ストーリーや展開に合わせて甲斐の人格や振る舞いが都度修正されているような、そんなような印象があった。
それによって、甲斐がただのギャンブラーなのか、全てをわかっていた凄いヤツだったのか、が判別できない。なので人物としての評価がなかなかしづらい。
・織田裕二
主演織田裕二はするべき仕事をしたと感じている。個人的には織田裕二を観るというか愛でるというか、そういうドラマであった。
この人の画になり具合はやはり半端じゃない。
舘ひろし等を観ていても感じるようなダンディズムというか、まぁ何度も言うけど、"画になる"のである。この画力(えぢから)は図抜けていた。
ここでは唐沢寿明にとっての秋津のように、織田裕二にとっての甲斐がどこまでハマリ役だったかを書きたかったのだけど、↑のとおり、甲斐の人物像がやや掴めないというのがあって、書きづらく。。
強いていうのであれば、織田裕二が演じた事で説得力はあったけど、織田裕二とお似合いに感じるかというと、ちょっと疑問符、というのが今も思っているところか。
人によっては誤解を与えかねない、だけど凄いヤツ。という捉え方をするなら似合ってはいるかなと。その辺り、人によって受け取り方は違っていると思う。
もしもここまで書いてきたツッコミポイントみたいなところも内包した、全てを受け手に委ねるようにつくってあって、全部が計算通りだというのであれば、これはこれで素晴らしい事だと思う。
・平均視聴率は2018年の月9最高記録だった
ちなみに数字はというと10.7%。
もうこのご時世、視聴率は何かの指標に使うにもあんまり参考にならないのだけど、大事なのは相対的な数字のとり方。
月9自体が求心力を失っていて、その中では人気があったというところは拾っておきたい。
この素敵なキャストを揃えても10%か、、という気持ちも自分にはあり。
■謎
・幸村・上杉法律事務所の上杉とは?
本家SUITSの法律事務所も「ピアソン・ハードマン」という二つの名前を組み合わせたもの。
ハードマンは昔に事務所から追い出された共同経営者だったのだそうな。
そのあたり設定は本家のをそのままということか。
ちなみに、上杉幸村というのは、もしかして、上杉景勝と真田幸村の意味なのではないかと思われ。上杉景勝は捕虜・人質として送られてきた真田幸村の才能を見出して武将として迎えたという人物。
上杉と幸村の関係性というのも、そんなような関係性だったということかしら?
深読みしすぎ?笑
・キャラメルなんなの?
本当よくわからなかった。本家SUITSにもキャラメルは出てこなかったと思う。
たまと甲斐でイチャイチャしてるように見えてしまったケンカのシーンで出てきた、「ついに引き当ててしまった」みたいなリアクションは何だったんだろう。どこかで解説されてたのかもしれないけど、正直まったく覚えていない。。
・続編示唆?
↑のような伏線の回収されない具合が続編を匂わせているとの見方も。
あるのかしら、セカンドシーズン。
・・といったところでそろそろ終わりにしようと思う。
2018年ももうだいぶ遠のいてしまったなぁ。
もう平成終わる・・
正直、残り2作品にこのボリューム感で書ける気がしない・・笑
ただ、いいドラマだったなぁという想いはちゃんと残ってるので、よきときに。
また今季のドラマも本当は書きたいしなぁ・・特にアタル。
そのあたり、乞うご期待?であります。
Fin.